【趣旨】 
ニュースレターを配信して約20ヶ月が経ち、世界や地球上の真なる問題点がより鮮明に見えてきました。それにより更に見えてきた風景があります。大変厳しい状況にあるわが国日本の姿であります。大国米国と中国の狭間にあって、政治と経済の分裂的状況にもがき苦しみ、独自の主張や立場を持てないまま、両国に翻弄され、国内世論も政治派と経済派に分断され、こうした国民の対立により、世界の信用を失い、政治も経済も混乱し失墜して行く姿です。

150年前、幕末の内憂外患を乗り越えた我々の祖父母のご苦労、敗戦国家の灰燼の中から自由圏二位の経済大国に復帰させた父母のご苦労を思う時、今度は私達が子や孫の為に一働きすべき時であるのに何をやっておるのかと、心の底から自己の不甲斐無さを恥入るばかりです。日本には日本の進むべき本道があり、世界に示すべき大義があります。

いまこそ「一隅を照らす」、我々共に学び合うタオ・クラブの仲間こぞって、この自国の危機に対し有効な手立てを模索するべき時ではないでしょうか。幸い我々はここ数十年、東洋思想の学びを続け、それなりの蓄積があると自負している仲間です。いよいよ実践の時が来たように思います。実践的思索の時として、具体的成果にまとめ、何とか自国の危機を回避し、世界が次に進むべき路を提示したいと思っております。

【開催講座】 
【１】メイン講座「日本の行く末」
【２】土曜日講座「日本を創った偉人のここに学ぶ」
【３】伝統の講座「老子 － その根源を深める」

【１】メイン講座「日本の行く末」（６テーマ／全１２回）
■テーマ１「地政学的視点による日本」（１月・２月）　
改めて地政学的に日本を見ると、様々な要点が見えてくる。強味も弱味も明確になることから両者をどの様に扱うかも探求したい。

■テーマ２「政治と経済の戦略的配置」（３月・４月）
結局現代において国家は、政治と経済に尽きる。政治はどうあるべきかは、如何に経済で世界を再びリード出来るかにある。

■テーマ３「日中関係・日米関係の過去と未来」（５月・６月）
そもそも日本の歴史は、対中関係の歴史といっても良い。その本質はどこにあるのか。同時に日米関係の過去を学ぶと共に両国との未来を展望する。

■テーマ４「偉人の知恵に学ぶ国家戦略」（７月・８月）
これまで日本をリードして来た偉人が、どの様な知恵を重視して国家戦略としてまとめ上げたのか、大いに興味深い情報もある。

■テーマ５「儒家・道家・武家に学ぶ国家戦略」（９月・１０月）
漢籍の中から国家戦略に有効だと思われる三つの思想から、今後特に重要だと思われる要点を選び出し、組み合わせてみよう。

■テーマ６「世界に進路を提言する」（１１月・１２月）
わが国日本には、世界に誇れる強味が数多くあるにもかかわらず、我々は見落してはいないか。その上で、日本と世界の進路を提言する。

■テーマ１「聖徳太子」（１月・２月）
聖徳太子の超人的知識と智慧を駆使した国づくりをもう一度調べ上げ、今後の日本の在り方を探る為のヒントに活用する。

■テーマ２「天武・持統」（３月・４月）
天武・持統期の日本の国づくりには、大いに学ぶべき点が多い。もう一度学ぶべき点をピックアップして検討してみよう。

■テーマ３「政子・泰時」（５月・６月）
北条政子と北条泰時の国づくりの要点は何なのか。国内外に多事多難の時にどの様に安定した国家づくりの布石を打ったのか。

■テーマ４「道元・親鸞」（７月・８月）
人間の在り方、家庭の在り方、国家の在り方を貫く思想哲学とは何かについて、道元と親鸞から学んでみる。

■テーマ５「徳川家康」（９月・１０月）
家康の誠に見事な国づくりの根源に何があり、国づくりのプロセスはどの様になっていたのか。人・物・金の投入の仕方など。

■テーマ６「正三・梅岩」（１１月・１２月）
一般の国民の人間としての在り方なくして、国家の在り方など無い。と考えれば国民の暮しや人生に対する哲学は重要である。

【３】伝統の講座「老子 － その根源を深める」

世界的大転換期に際し、我々は何を主張すべきなのでしょうか。その鍵は、「何の転換であるのか」にあります。文明の転換なのです。「近代西洋思想」という文明の行き詰まりの解消の為の転換といって良いでしょう。

そこで問われる「次世代の文明」とは、「東洋と西洋の知の融合」であることは、ほぼ世界的に是認されている方向のように思います。もっといえば「近代西洋思想」の行き詰まり、弊害による地球的問題の解決や回避の為の「思想」として有効であるとされているのが「東洋思想（儒教・仏教・道教〔老荘〕・禅・神道）」であります。

その中でも最も「近代西洋思想」と相対的位置にあるのが「老荘思想」なのです。そこで未来将来を考える際の必須の考え方として「老荘思想」をしっかり学んで戴きたいのです。今年は以上の点を重点として読んでいきましょう。