【ニュースレター情報】読者の方からのメッセージ
田口佳史 ニュースレター
「人新世」の時代に ―「東洋思想」からの提言
3月3日に『緊急号外』でニュースレター【第十回:「戦争」について(その二)】を発信したところ、沢山の方々より多くの反響を戴きました。温かいご支援のお言葉を頂戴した中から下記にご紹介をさせて戴きます。
【東京在住 H.Kさん】
「墨子」については、昨年12月に発信頂いた「ニュースレターVol.10」で初めて知った。
その僅か2か月後、ロシアがウクライナに侵攻した。
田口先生の説いておられる内容が、現実世界で検証されているかのようである。
ニュースレターVol.10とウクライナ情勢から学んだのは次の2点である。
1)自国は自国で守るしかない。
2)志を貫く為には純粋性としたたかさの両方が必要である。
549年に亘る戦乱の世、百家争鳴の時代に儒家と並び立つ勢力となった墨家、その主張が「非攻」であったことに驚嘆する。
彼らはそれこそ命がけで持論を主張したのである。
「非攻」の正当性を立証し、いかなる反論にも屈せず主張を押し通し、結局は賛同を得て終る。その為に礎かれた論理の構築は多様でしたたかである。
「非攻」の為に「兼愛」を説き、その為に「天志」「明鬼」を説き、尚賢」を 説き、「節用」と「節葬」を説いた。
加えて、防衛の為に「軍事技術や戦略」書を整え、実践部隊まで擁した。
「超人的な純粋性」と「無敵といえる知的したたかさ」から成る、
いわば陰陽が整った集団であったからこそ志が守れ、発展したのだと田口先生は述べておられる。
人間は何のために生まれてきたのか。互いに命を助け合い、維持する為ではないのか。
だから殺し合いはしてはならない。殺し合いに義はない。
この主張にとどまらないのが墨子の凄さである。
先端技術を駆使した戦闘集団が弱小国を守り抜く。
NATO軍は「墨者軍団」という志をもち得ないのか。
これは海の向こうの話ではない。
日本の治安も脅威に晒されている。
自国を自ら防衛する実力のない国には、どの国からも支援のしようがない。
第三次世界大戦を起こしてはならないという考え方は「国際社会」の共通認識だ。
だから戦争の当事者でない国は戦闘に参画することに慎重である。
自国は自国で防衛するしかないのだ。
プーチンは怯えているからこそ暴挙に出ている。
力には力で対抗するしかないのか。
経済制裁による間接的攻撃でロシア国民の世論が自国を動かすことに期待するしかないのか。
刻々と伝わる情報を受信しながら悶々とする日々である。